甘い愛で縛りつけて
言葉が途切れ途切れになったのは、恭ちゃんがじりじりと近づいてきたからだ。
ベッドの上に座った私に近づきながら、恭ちゃんが不機嫌そうに言う。
「おまえさ、俺が好きだって言ってたよな? なのに、なんで他の男と付き合ったりしてるんだよ」
「だって、そんなの子どもの頃の話だし、それにずっと離れてたし……」
「実紅は距離が離れれば忘れるのか」
「そういうわけじゃ……」
目の前まで近づいた恭ちゃんのめちゃくちゃな言い分に押されて、うまく反論ができない。
なんでだろう。
絶対に私の言ってる事は間違っていないのに、恭ちゃんが真剣な顔するから、まるで私が悪く思えてくる。
でも、本当に子どもの時言っただけだし、恭ちゃんだって軽くとらえて流してたハズ。
なのに、なんで逆らえない気持ちになるの?
戸惑いながらも、近すぎる距離に身体を引いた時。
「やっぱり、会うとダメだな」
私を見つめたままの恭ちゃんがぽつりと言った。
「え……どういう意味?」
会うとダメって、私とって事?
まるで脈略のない言葉を不思議に思っていると、恭ちゃんが目を伏せる。