甘い愛で縛りつけて
気管に入った水のせいで咳き込む私から、恭ちゃんがこれ以上の水没範囲拡大を防ごうとペットボトルを奪う。
そして、それをカウンターテーブルに置いてから戻ってきて「あーあ」と私の惨状を笑った。
「水くらいこぼさないで飲めよ」
「恭ちゃんが変な事言うからでしょ……っ! もう、変なところ入っちゃったし服濡れちゃったし最悪……」
「濡れたのブラウスだけか? 脱げよ、乾かしてやるから」
どちらにしても短時間での自然乾燥は見込めないから、ドライヤーでなり乾燥機でなりで乾かしてもらうか、服を貸してもらわなければ帰れないのは確かだった。
だから、言われた通り脱ごうと思ったけれど……。
いつかの保健室での時とは違って、恭ちゃんは代わりの服を貸そうとはしてくれなくて。
笑みを浮かべながらこちらを見ている恭ちゃんに、二つ目のボタンを外したところで手を止めた。
「服貸してくれないとこれ以上着替えられないんだけど」
絶対にわざと意地悪しているって気づいていたから睨みながら言うと、恭ちゃんは私の隣に腰掛けながら答える。
「まぁでも、わざわざ乾かさなくても終わるまでには勝手に乾いてるか」
ブラウスの胸元から手を滑り込ませようとする恭ちゃんに腰を引くと、そんな私に恭ちゃんが続ける。