甘い愛で縛りつけて


「おまえも、まさか俺の部屋に連れ込まれて何もなく帰れるとは思ってないだろ」

答えを言えば、イエスだ。
だってここに連れ込まれた時の恭ちゃんは正気を失っていたし、色々覚悟はしてた。

だから返事が遅れてしまうと、恭ちゃんはそんな私の腰を抱き寄せて妖美に微笑む。

「怖がらせた分、よくしてやるから」

直後唇を奪われて、そのままベットに押し倒される。
頭の両脇に恭ちゃんが手をつくとベッドが軋んで、期待からなのか、胸が跳ねた。

だけど一瞬、さっきの豹変した恭ちゃんが頭をよぎって、心臓が不安からドキドキと騒ぎ出してしまって……。

そんな私に気づいたのか、恭ちゃんはじっと見つめた後、優しく頬に触れた。
大きな手で、ふわりと撫でるように。

「ごめんな、怖がらせて」

申し訳なさそうに微笑む恭ちゃんに、無言で首を振って恭ちゃんの手に自分の手を重ねる。

「俺は、あんな奴らを親だとは思ってない。それでも……この身体には確かに親父の血が流れてる。
それは、自分でも分かるんだ。
俺のおまえへの執着は、親父が母親にしていたものと似てるから」

じっと、私を見つめたまま話す恭ちゃん。

自分の気持ちを、目を逸らさずに話してくれる恭ちゃんに私も真っ直ぐに視線を返す。


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