孤独と嘘と愛に騙されて。

ぽつりぽつりと地面を照らすように
とぼとぼと歩く私に
ある人が近づいてきた。


後ろから
こつん、こつんと歩く音が聞こえてくる。
私がピタリと足を止めれば
その音も綺麗に止まる。

不審者?ストーカー?
ううん、違う。


「 みーっけた。 」


後ろから聞こえてきたあの声。
聴き慣れた声。


「 それ、不審者っぽいからやめたほうがいいよ? 」


くるっと振り返れば
廉くんよりも身長が高い巨人が目の前に。


「 不審者じゃねーし。 」


そう言って私の隣で歩き始める彼。
緑のリュック、他校の制服。
身長はたしか185㎝。
彼が持っているスポーツバックはボロボロ。
金髪に近いような明るい茶髪は地毛。
バスケ部所属で明るいムードメーカー。


私がここまで詳しく知る人物。
私の、幼馴染。
< 15 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop