孤独と嘘と愛に騙されて。
「 部活帰り? 」
そう尋ねると
彼は"もちろん"と首を縦に振った。
彼は
柊怜太(ひいらぎれいた)。
出会ったのはいつだったかな。
詳しくは覚えてないけど
たぶん私が保育園のときで玲太が小学生の時。
玲太は私の2個上の先輩。
高校3年生。
私が通っている学校よりも一駅先の学校に通っている。
チャラくてバカそうに見えるけど
スポーツ特待で入学して、成績だって悪くはない。
" 完璧 "っていうのとは少し違うけど
モテる要素をたくさん持っている男の子。
「 お前は?なんか今日、帰るの遅くね? 」
恐らくもう7時をすぎている。
部活帰りの玲太がこの時間帰宅するのは全然おかしいことじゃない。
でも帰宅部の私がこんなくらい時間に帰っているのは不自然なことなのかも。
いつも真っ先に家に帰る私だから、なおさらそうなんだ。
「 お、もしかして今までデートか? 」
ちゃかす玲太に少し腹を立てて
手に持っていたスクールバックを
思いっきり彼の後頭部を狙った。
それは見事直撃して鈍い音が響くけど、
玲太はけらけら笑うだけ。
まあ、絶対に怒らないからそんなことするんだけど。