孤独と嘘と愛に騙されて。

「 彼氏なんかいないよ 」

なんて、ふてくされた表情で言うと
彼は興味なさそうに、ふーんと言う。
もう少し反応してくれたっていいのに。
ていっても、彼氏なんかいないって分かってて聞いてるんだろうけど。


「 あー、そうそう。お前に頼みあったんだわ。 」


玲太は何かを思い出したかのようにそう言った。
玲太が私に頼みごと?
いつもは私が頼ってばっかりなのに、珍しい。
なんか今日は頼られてばっかりだ。

頼みって何よ?
口には出していないけど、
そんな雰囲気を出して彼の頼みを待った。
そうすると、彼は少し
気まずそうに小さな声でこう言った。


「 彼女のフリ、してくんね? 」


私はそれを
冗談として受け止めた。
彼女のフリなんて、少女漫画じゃあるまいし。
現実の世界で実現されるわけない。
でも玲太の答えは嘘なんか、偽りなんか
どこにもなかった。


「 冗談じゃねえよ? 」


なんて、やめてよ。
心臓がどくどく、どくどく、うるさいじゃない。
私は、どうすればいいのよ?
玲太が分からない。

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