孤独と嘘と愛に騙されて。
なんで私が彼女のフリなんかしないといけないの?
私以外にもふさわしい女の子なんて
玲太の周りにはたくさんいるはずなのに。
どうして私なのよ。
「 待って、意味わかんない。 」
" 説明してよ "
そう言い足すと
玲太は私の体に身を寄せた。
そしてボソボソと小さな声で
「 ストーカー。されてんの。 」
彼は確かにそういった。
私は驚くしかなくて目を丸くした。
ストーカーなんて、こんな身近に存在するものだったんだ。
しかもすぐそばに。
大切な幼馴染に。
これも冗談?
なんて一瞬思いもしたけど、この話は本当らしい。
玲太は嘘をつくとき、かすかに口がひくひく動いている。
でも今は口をへの字にしたまま。
玲太が、本当にストーカーに悩まされるとしたら?
このまま知らんぷりして放置してしまったら?
彼を一人にさせてしまったら?
そんなの、できないから。
「 うん、いいよ。 」
そう言うしかなかった。
お人よしでバカな私はこの時、
深く考えようとしていなかったんだ。
ただ、彼女のフリさえしていればいい。
そう、思ってたの。