孤独と嘘と愛に騙されて。
ある日、なんとなく気まぐれで向かった屋上。
別に大した特技もなくて
それなりに恋愛もして
それなりに友達もいて
ただただ、平凡な生活を送っている高校2年の秋。
私、萩野香恋(はぎのかれん)。
身長だって、小さいわけでもなく、大きいわけでもなく。
顔もおそらく平均並み。
もとから色素は薄くて茶色っぽい子の髪は
伸ばすことなくシンプルにショートカット。
なんでも普通で、
特に面白くない毎日。
”気まぐれ”で作られた性格。
今日だって
特に用はないんだけど、
突然空を見たくなって屋上へ足を運んだ。