孤独と嘘と愛に騙されて。
電車はあっという間に駅について、
私は一人、電車を降りる。
玲太はひとつ先の駅で降りるの。
「 またね。 」
そう言って電車を降りようとすると、
彼は何かを思い出したかのような顔をして
私の右手を掴んだ。
そしてこう口にしたの。
「 放課後、正門で待ってて。 」
電車は待ってはくれない。
返事をする間もなく、扉はシューッと音を立てた。
そしてガタンゴトンと揺れながら
次の駅へ向かって行った。
今日の放課後...かあ。
何もなかったよね?
何もないと、いいな。
そう心の中で願いながら
私は学校へ足を急がせた。