秋探し
赤と黒のランドセルが並んで帰り道を歩いています。
「ねぇ、奏太はどう思う?
あきちゃんに出会ったのはふたりで見た夢なのかな。
それともやっぱり本当のこと?」
んー、と言いながら奏太くんはまくっていた袖を下ろしました。
走っていない時はちょっぴり寒いのかな。
「わかんないよ、そんなの」
「えぇっ」
白黒はっきりしたい答えに椛ちゃんは不服そう。
むぅ、と口を尖らせます。
「でも、わからない方が楽しいからいいじゃん!」