秋探し
『〜森の妖精さんシリーズ〜 秋の贈り物』。
これがその本のタイトルです。
月に一度、図書の授業で読み聞かせのあるこの学校で、今日はちょうどその読み聞かせのある日でした。
『秋の贈り物』は、今日ふたりが読み聞かせをして貰った本なのです。
よっつの季節の妖精たちのお話が気に入ったふたりは、放課後にまた図書室に来たのでした。
「もしかして、奏太も読みに来たの?」
「椛も?」
椛ちゃんと奏太くんは顔を見合わせます。
「でも、おれが先に見るからな!」
「あ、ひどーいっ。
椛だって読みたいの」