トマッタ時計
ある日の帰り道。

「音々明日開いてる?」

「明日は…午前練だから午後は開いてるよ」

「明日デートしない?」

「デート?」

「うん、デート」

「いいよー。デートって初めてだね」

「そうだな!行く場所は遊園地だけどいいか?」

「うん!どこの遊園地?」

「最近出来たとこ」

「絶叫系多い遊園地?」

「うん。あっ…絶叫系だめか?」

「ううん!大好き!!侑李誘っても絶叫系苦手だから行ったことなかったの!凄い楽しみだなー」

「…」

「?誠くん?どうしたの?顔赤いけど…」

「いや、音々がこんなに喜んでくれるなんて思ってなくてさ…」

「確かに女の子って絶叫系だめな子多いしねー」

「いや、そうじゃなくて…」

「?」

「喜んだ音々が可愛くって…その…」

「えっ?」

誠くんの言葉に顔が熱くなっていく。

こういう時はどうすればいいんだろう?!

取りあえずお礼言っとけばいいの?!

「あっ、ありがと…」

「おっ、おう…」

きっ、気まづい…。

「…あっ、家着いた。送ってくれてありがとね!気をつけて帰ってね!」

「…おう!じゃあまた明日!」

「うん、バイバイ」

「バイバイ」

いつもだったら誠くんが見えなくなるまで見送るんだけど、今日はそんな余裕もうなくて…。

いきなりかっ、可愛いとか言われてビックリした…。

私、そんなに嬉しそうな顔してたのかなぁ…?

なんか、誠くんの顔を思い出すと凄い恥ずかしくなって…。

いや!だめだ!一端頭を冷やそう!!

「お母さん!!お風呂入ってる?!」

「入ってるけど…どしたの?」

「なんでもない!!お風呂入って来るね!!」





「ふぅ…落ち着く…」

やっぱりお風呂に入ると落ち着くなぁ…。

うん、若干頭冷えたかな?

それより誠くん絶叫系好きだったんだなぁ…。

それよりも!!

私たちもう3ヵ月も付き合っていながら初デートってどうなの?!

まあ、毎日一緒に帰ってるから普通に満足してたんだけど…。

お互い部活忙しいし、休みができてもお互い何かしらあって遊べなかったし…。

まっ、いっか!!

取りあえず初デート楽しもう!

あっ…、集合場所と時間聞くの忘れた…。
< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop