意地悪なキミに、スキをあげる。




「どこ行くんですかっ…?」




朝陽さんのせいで出来たであろう人混みをやっと抜けて、ホッとした。




明日学校言ったらみんなに色々言われそうで怖い…。


朝陽さんがまさかこんな大人な人だなんてみんな思ってなかったと思うし…。




「どこでも」


「えっ。朝陽さんが誘ったから、どっか行きたいとこがあるんだと思ってたんですけ、ど…」




どうやら違ったみたい?



そしたら急に立ち止まって、あたしの方に振り返った。




「…朝陽さん?」


「俺は制服を見たかっただけさ」


「……最低!!オヤジ!!」




制服のどこがそんなにいいんですか!!




「言ったな?」


「え゛」




ニヤッと口角を上げて、嬉しそうに微笑んだ。




< 111 / 309 >

この作品をシェア

pagetop