意地悪なキミに、スキをあげる。
『そんなに朝陽さんがいいのかよ…』とグチグチ言ってるのはスルーして。
アヤも悪い奴じゃないから憎めない。
「アヤちん、あーお!おっはよ!」
あたしとアヤの背中をドンッと叩いてきたのは、
親友の安江祐希奈(やすえゆきな)。
実は祐希奈とアヤとは同じ中学っていうのもあって…仲がいい。
「痛いよ祐希奈」
「へへへっ。
やー、後ろから見たらさ、アヤちんとあおがイチャイチャしてるようにしか見えなくて」
あたしの前の席に座って、祐希奈は歯を見せて笑った。
「はぁ?ヤメテよ祐希奈〜。あたしには朝陽さんがいるんだから」
「は?こっちだってお前なんてお断りだし!!」
「うっさいな!このバカ下綾斗!」
「バカ下ってお前…っ!お前だってバカ崎あおだろ?!」
………。
祐希奈が『まぁまぁ…』と止めてくれて、やっと落ち着く。
アヤと口論とか…負ける気しないわ…!