意地悪なキミに、スキをあげる。





あおとキスしたところがバレたら、あおの将来が大変なことになることは

すこし考えたらすぐにわかってたはずで。




俺だって禁断だって思ってたはずなのに。



生徒に教えられるなんて、俺…バカだな。




「ごめん」

「謝るなら、あおに謝ってよ」

「………わかった」




木下の分も、俺があおを幸せにしてやんなきゃって

改めてそう思った。




「先生」

「…ん?」




顔を上げた木下が、ふっと笑った。




「ちゃんと…あおのこと幸せにして下さいよ?」




儚い笑顔が俺の脳裏に焼き付いた。



大丈夫。

もうお前にそんな笑顔させない。



約束する。




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