意地悪なキミに、スキをあげる。




もらった鍵を自分の家の鍵と一緒につけて、カバンの中に入れた。




今から自分の家じゃなくて、朝陽さんの家に帰れる。




そう思ったら、すごく足取りも軽くて。



間違ってたから職員室に来いって言われたときとは大違いです。





そういえば…

あたしが蘭さんを間違えて、朝陽さんの浮気相手だと思っちゃったとき



朝陽さんが鍵を渡してるところ、見ちゃったんだよね。




…今度は自分が、

彼女として鍵をもらえたんだ…。




本当に、本当に嬉しいです…。




初めて自分で開ける、朝陽さんの家の扉。



その感覚を確かめるように、ゆっくり鍵穴に差し込んだ。



ドキドキしてきた…っ。




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