意地悪なキミに、スキをあげる。




異例の速さで回ってきた色紙にはありきたりな言葉を並べた。




『先生の授業、とってもわかりやすかったです! また先生の授業受けたいです!先生また遊びに来て下さいね』




あくまでも、先生と生徒の関係。

そう見えるように。




本当のお礼の気持ちは、手紙にしっかりつまってる。




「先生来た!」




小声でも響く静かな教室内に、緊張が走る。




ドキドキを通り越して、バクバクなあたしの心臓の音…

聞こえてないかな…?




サプライズするのなんて初めてだから…すっごく緊張する。




バクバクって心臓の音が最高潮に達しようとしたとき、

扉がガラガラと音を立てて開いた。




ーーーパーンッ!!!




大きなクラッカーの音と共に飛び散る色とりどりの紙吹雪。




「っ?!」


「「「朝陽先生!2週間、ありがとーっ!!!」」」




あたしの声も朝陽さんに届くように、精一杯大きな声を出した。




朝陽さん、2週間本当にありがとうございます!

そして、お疲れ様です!




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