意地悪なキミに、スキをあげる。




「え。 なに、え?」

「先生が今日最後の日だからサプライズ!びっくりしました?」




委員長が朝陽さんに笑顔で近づいた。



未だに扉の側で硬直してる朝陽さんの頭には、金色の紙吹雪が乗ってる。




かわいい…です。




「ほらほら先生こっちきて!」




教壇に促す朝陽さんをあたしは遠くの席からじっと見つめてた。




あんな驚いた顔の朝陽さん見るの、初めてだ…。

いつも余裕な朝陽さんだもん。



レアだ。




「え? 待って待ってサプライズ?」

「そうですよ!あとこれ、先生にプレゼント」




みんなのメッセージが入ったカラフルな色紙。



真ん中には朝陽先生へって書いてある。




実はその朝陽先生へってやつ、あたしが書いたんだ。

朝陽さん、気づいてくれるかな?




「ありがとう…びっくりして言葉が出ないんだけど…。 朝はみんな普通だったのに、ずっと考えてくれてたの?」

「はい! みんな実はソワソワしてたんですよ?」




よかった…。

サプライズ成功みたいです!!!!




隣にいる祐希奈と、後ろにいるアヤと顔を見合わせた。



やったね。




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