意地悪なキミに、スキをあげる。




そんなこと言っちゃ、誤解されちゃうよ。



朝陽さんわかってるのかな…?


わかってて言ってるのかな…?




でも…なんか嬉しいです…。

あたしだけには、みんなと違う言葉をくれた。




みんなとは違う、特別になれた気がして。




「先生…っ」

「ん?」

「頭に紙ついてます」




朝陽さんの頭にそっと手を伸ばす。




教室の中で少し大胆なことをしてる気がしてやたらドキドキした。




手が…震える…っ。




「紙?クラッカーの?」




背伸びするあたしを気遣って、
腰をかがめてくれる朝陽さんにまたドキドキして。




こんな大胆なことをするのはあたしじゃないような気がして…。




なんだかフワフワします…。



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