意地悪なキミに、スキをあげる。
震えたて手で、朝陽さんの髪に触れた。
少し遠くで、祐希奈のきゃあって声が聞こえてきた。
うぅ。
やっぱりするんじゃなかったかも…。
恥ずかしい…。
金色に輝く小さな紙を
朝陽さんの差し出してくれた手に乗せる。
一つ一つの動作がスローモーションみたいに感じちゃう。
「ありがと」
少し見慣れてきた朝陽さんの猫かぶりな笑顔。
小さく『いえ』と言って手紙を渡してダッシュで席に戻った。
バカだ。
やっぱり恥ずかしい…。
あのとき教卓の前にいたあたし…なにかに乗り移ったみたいになってた。
今更顔が熱くなる…。