意地悪なキミに、スキをあげる。




震えたて手で、朝陽さんの髪に触れた。




少し遠くで、祐希奈のきゃあって声が聞こえてきた。




うぅ。

やっぱりするんじゃなかったかも…。




恥ずかしい…。




金色に輝く小さな紙を
朝陽さんの差し出してくれた手に乗せる。




一つ一つの動作がスローモーションみたいに感じちゃう。




「ありがと」




少し見慣れてきた朝陽さんの猫かぶりな笑顔。




小さく『いえ』と言って手紙を渡してダッシュで席に戻った。




バカだ。

やっぱり恥ずかしい…。




あのとき教卓の前にいたあたし…なにかに乗り移ったみたいになってた。




今更顔が熱くなる…。




< 277 / 309 >

この作品をシェア

pagetop