意地悪なキミに、スキをあげる。
「ごめんっ。まだあと4種類くらいプリント集めなきゃで…職員室まで運んでもらってもいい?」
「うわ、そうなの? わかった!」
それは大変。
明らかに嫌そうな顔をした祐希奈の手を引いて、
他にも手伝っていた女子3人と委員長とあたしと祐希奈の計6人で職員室に向かった。
ついでに職員室で涼めるといいなぁ、なんて…。
ーードンッ
職員室が見える角を曲がったら、少し前を歩いていた祐希奈が急に止まった。
「わあ祐希奈!急に止まらないでよ〜」
「えっ? ちょ…あおあれ!!」
乱れた前髪を整えながら、祐希奈の肩からひょこっと顔を出した。
うしろから来た委員長と他の子も
野次馬のように職員室を窓から覗く。
「あれ…朝陽さんじゃん。 なんで?」
『もう、教育実習終わったじゃん。
しかも私服だよ?』
って不思議そうに聞いてきた。