意地悪なキミに、スキをあげる。





「……お前なぁ…バイト中にそういうこと言うのやめてくんない?」

「……だって…」




呆れた顔と、フッと笑った顔が
またあたしの胸を締め付けた。




「また、数学教えてください」

「はいはい」




あたしの元に返ってきたマンガ3冊と、貸し出しカード。




それを持って、勉強スペースへ移動しようとしたそのとき。




「あらっ、朝陽くんそろそろ休憩じゃない?」




どこかで聞いたことのあるような、
懐かしい声がした。




「え、俺まだ…」

「休憩でしょ!ほら、ここは私がやるから!」



半ば強引に朝陽を追い出してついでにあたしの腕まで引っ張って、



奥のスタッフルームに入れられた。




えっ?

え?




突然すぎて、頭が…。

状況が理解出来ない…。




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