意地悪なキミに、スキをあげる。





しばらく

苦しいくらいに抱きしめられた朝陽さんの腕の中で、

朝陽さんのエプロンに大きなシミを作るくらい泣いた。




「…最悪」

「なっ泣かせたのは朝陽さんじゃないですか?!」

「勝手に泣いたのはあおだろ」




朝陽さんから離れると、ちょうど胸の位置にあたしの涙のシミが出来ていた。




「なぁ」

「はい?」

「久しぶりにアレ言ってよ」

「……アレ?」




久しぶりに、ってことは
定期的に言っていたセリフですか?


ていうか、そもそもそんなセリフありましたっけ?




頭の中が?で埋めつくされたあたしに
朝陽さんの顔が近づいてきた。




< 296 / 309 >

この作品をシェア

pagetop