意地悪なキミに、スキをあげる。



「彼女いない」


「えっ?!」


「何そんなに驚いてんの」



ということはあたし…玉砕してない…?



流し目で睨むようにあたしを見る朝陽さんを見上げる。



嘘だ…本当にいないの…?



ドキドキしていた心臓がホッとして、妙な安心感…。



「いると思ってたので…安心しました…」


「…安心?何であおが安心すんの」



はっ!!



「いっ今のはナシです!!聞き流して下さい!!!」



安心しすぎて気が抜けた!!



朝陽さんに彼女がいなくて安心したなんて、これこそ自爆行為…。



死ねる……。



「まだ止みそうにねぇな」


「そうですね……」



あたしはそんな雨を気にしている場合じゃないんです!!



恥ずかしくて…死にそう、です…。



< 48 / 309 >

この作品をシェア

pagetop