意地悪なキミに、スキをあげる。
もう 図書館に来るな
バス停に着いても雨は止んでなかった。
どうしよう…。
折り畳み傘、持ってこればよかった…。
「とりあえず地下鉄まで走るか」
「そうするしかなさそうですね…」
雨が止みそうにないし…。
バス停の屋根があるところでずっと雨宿りしてるわけにはいかない。
「ん」
あたしの目の前に手を差し出してきた朝陽さん。
こ、この手は…。
「走るの遅いお前に合わせてたら余計に濡れる。全速力で走るからお前は俺についてこい」
けなされてるのに、キュンときた…。
こないだもこんなことあったような…。
少し震えながら朝陽さんの手に自分の手を重ねた。
初めて繋ぐ…。
「ちっせ」
「朝陽さんの手が大きいんですよ」
「うるせぇ行くぞ」
走り出した朝陽さんとあたしに降りかかる雨。
ずぶ濡れになってもドキドキが止まらなくて、恥ずかしくて、胸がキューンってなりました。