意地悪なキミに、スキをあげる。
「ちょっとの距離なのに結構濡れましたね…」
「土砂降りだからな…」
今度は地下鉄で尾崎駅に着くまでに止んでくれてることを願う…。
今日の降水確率ってそんなに高かったっけ?
晴れてたから天気予報なんて見てないよ…。
持ってきていたフェイスタオルで濡れた服の水分を取った。
でもフェイスタオルなんかじゃ全然足りない…。
「朝陽さん、タオルよかったら使って下さい…。あたしの後ですいません…」
ピンクのタオルを朝陽さんに差し出したら、
それを奪ってあたしの頭の上に乗せた。
「自分の髪の毛拭け。まだ濡れてる」
頭をタオルの上からワシャワシャ。
う……、朝陽さんに髪の毛拭かれてる…。
「ぅ…あ、朝陽さんこそあたしより濡れてます!!…朝陽さんが風邪引いちゃいます!!」
「そんな濡れてないって」
「あたしのせいで朝陽さんが風邪引くなんて…嫌です…」