意地悪なキミに、スキをあげる。
「わかったから…とにかくお前から拭け…」
諦めてくれたみたい。
ちょっと拭いてあとは朝陽さんにタオル渡そう。
朝陽さんだって同じくらい濡れてるもん。
タオルを朝陽さんに渡したら、呆れた顔して拭いてた。
でもやっぱりこんなフェイスタオルじゃ足りなくて…。
「っくしゅん!」
「あっ…寒い、ですよね…」
地下鉄の中で初めて朝陽さんのくしゃみを聞いた。
かわいいとか思ってる場合じゃないんだけど…!
地下鉄の中も暖房きいてるけど、
逆にそれが風になって、濡れた服にあたって寒い。
「まだ止んでねぇな…」
「です、ね…」
尾崎駅を降りてもまだ土砂降り…。
ついてないなぁ…今日…。