君と過ごした100日間は。
やっとの思いで教室に入り、ラストに雪菜の席の隣に机を置くと、一気にため息をついた。
「蓮斗くん、お疲れ様っ」
「大変だったねぇ」
雪菜が持ってきた椅子が机の下に置かれると同時に、クラスの女子が一斉に来る。
そしてそこから質問攻め。
「どこから来たの?」とか、「彼女いたの?」とか、「携帯持ってる?」とか、どれも適当に答えていい質問ばかりだった。
でもひとつだけ、すぐに答えれない質問が聞こえてきた。
「蓮斗くんは、どうゆう事情で来たの?」
これだけは答えたくなかった。
雪菜だって横にいるから、下手に言えない。
「お仕事の転勤?」
「え、でも、蓮斗くんの事情なんだよね?」
どうしよう・・・。
どうしよう・・・・・・。
隣をチラッと見てみると、雪菜もこちらを向いて興味深々な顔で見てくる。
「あ・・・、えと、用事・・・で・・・」
「ん?」
やばいっ。
これはなんて答えよう。
・・・もう、適当に答えちゃえ! えーいっ!
「・・・妹」
「妹?」
「妹を探しに来てッ、10年前に別れた妹っ」
・・・・とっさに出た“妹”という単語。
さすがにこの答えは嘘バレバレだったかな。