君と過ごした100日間は。
今まで僕の周りできゃぁきゃぁしていた女子たちが、少し驚いたような顔で黙っていた。
長い間、沈黙が流れる。
でも、その空気を変えたのが、雪菜であった。
「芦川くん、妹さんいたの?」
「あ、うん、双子だけどね」
雪菜は「へぇ~・・・」と答えただけで、うつむいてしまった。
もしかしたら、僕達は本当は双子だってこと、バレたかもしれない。
もちろん、妹を探しに来たってのは嘘。
本当は僕が双子の兄だってこと、気づいて欲しくなかった。
もう一度、昔みたいに仲良くしたいっていう気持ちはあるけど、兄妹みたいにっていう気持ちは無かった。
「もしかして、双子の妹って雪菜ちゃんだったり!?」
名前も知らないとても性格が明るそうなポニーテールの女子に、いきなり当たってることを言われ、僕の心臓は一瞬止まりかけた。
「なっ、美優!? そんなわけないじゃんッ!? 兄妹だったら、初めてあったらすぐわかるだろうし・・・それに、今日初めて会ったんだからね?」
「うん、そうだよ。 ・・・芦川さんは違うよ」
“初めて会った”
その言葉が、僕の胸をキツく締めつけた。
やっぱり雪菜は僕のことを覚えていなかった・・・。
でも僕は、悲しい気持ちの反面、少しほっとした気持ちもあった。