君と過ごした100日間は。
私と兄 雪菜side
芦川くんが転入してきて3日がたった。
3日前に転入してきたはずなのに、元からクラスにいた感じがする。
たぶん芦川くんはもうクラスの全員と話してる。
私はまだ話したことない人だっているのに。
同じ「芦川」なのに、全然違うんだね。
まぁ、私が探している「芦川」とは血が繋がってるわけでもないし、当たり前だけどね。
でもちょっとだけ期待した。
芦川くんは「妹を探しに来た」と言っていた。
私も同じだった。
私も10年前に別れた兄を探している。
だから芦川くんが探しに来たことを話したとき、一瞬心臓が止まるかと思った。
もしかしたら、なんて思って芦川くんに「妹さんいるの?」と聞いた。
でも芦川くんは「双子」と答えた。
私はお母さんに双子だということは聞いていない。
もし双子だったら、とっくにお母さんが言っている。
聞いてないってことは、ただの兄っていうことだ。
だから芦川くんの質問の答えに、私は少し悲しかった。
もし芦川くんが兄だったら、なんて思ってたし。
もしかしたらって期待してた私が馬鹿みたいだった。
こんな簡単に兄が見つかるわけない。
妹なのに、兄の行くところすら知らないんだから。