君と過ごした100日間は。
・・・え?
今、なんて言った?
一緒に帰る?
私が?
芦川くんと?
「あ・・・一緒に帰りたくないんならいいんだけど・・・」
いや、帰りたくないわけではないんだけど・・・。
「芦川くん、一緒に帰る人いないの?」
そう聞いてみると、芦川くんは俯いてしまった。
あああ、そうだよね、芦川くん、3日前に来たばっかりだもんね。
クラスのほとんどが部活に入ってるし・・・。
「あの・・・っ、か、帰る」
「え?」
「一緒に帰ろ」
少し焦りながら言ってみたけど、それでも芦川くんは、俯いた顔から花が咲いたような笑顔になった。
「ありがとっ」
お礼を言った芦川くんの笑顔は、今まで見た笑顔より、ずっと綺麗な笑顔だった。
その笑顔は、初めて見たはずなのに、何故か昔にもこんな笑顔を見たことがあるような気がした。