君と過ごした100日間は。
第一章 10月
僕と妹
朝の日差しが差し込む小さな部屋の中、僕は夢から覚めて飛び起きた。
「・・・またこの夢か」
僕は呆れたようにため息をつき、ベットから出た。
もう何回目だろうか。
あの日から、1ヶ月に1回は、この夢を見ている。
あれは10年前。
僕たちが4歳のときに離れた妹の雪菜のことが、今でも頭から離れてなかった。
そのため、会いたい思いや寂しさなどで、同じ夢を見ていた。
時計を見て、まだ学校に行く時間まで40分ぐらいあると確信すると、僕はもう一度ため息をついた。
そして、壁にかかってる真新しい制服を見て、パッチリと目が覚めた。
「今日から新しい学校だった・・・」
なんて一人言を言って、新しい制服に手をかける。
僕、芦川蓮斗は昨日、僕が10年前に住んでいた街に引っ越してきた。
だからこの街は、雪菜と離れた街でもあった。
懐かしさもあって、気分は舞い上がると思うけど、今の僕は、昨日の引っ越しの手伝いで、2日分の体力を使って、あまり元気が出てこない。
でも、僕は今日、雪菜が通っていると思われる学校に転入するんだ。
その嬉しさがあるから、今目が覚めてるんだなと思う。
僕は雪菜に会えるかわかんないけど、楽しみだった。
もし会えたら、なんて思ってたから。
でも、雪菜はあの日のこと覚えてないと思う。
でも僕はハッキリと覚えている。
10年前のあの日から。
涙を流しながら、必死に行かないでと泣き叫んでたこと。