君と過ごした100日間は。
玄関の扉を開けると、見慣れない靴があった。
あぁ、もう来てるんだな。
そう思い、リビングのドアを開けると、そのお客様とお父さんがこっちを向く。
「あら、蓮斗おかえりなさい。 久しぶりね」
「久しぶり、お母さん」
お客様とは、10年前から1回も会ってなかった、お母さんだ。
引っ越してきてから、もう4週間もたってる。
家は遠いけど、せっかく来たんだから、僕も会いたいとは思ってた。
「蓮斗、だんだんお父さんに似てきた?」
「何を言ってるんだ、目とか母さんそっくりだろ」
なんて2人が話してるうちに、僕はリビングのソファーに鞄を置く。
10年たってるはずなのに、お母さんは全然変わってない感じがする。
「それにしても、よくこんな綺麗な家見つけたわね。 まぁまぁ広いし」
「まぁな」
確かに、僕の家には、お父さんと2人しか住んでないのに、一軒家。
部屋だって2人じゃ使い切れないぐらいある。
お母さんが言う通り、綺麗だし、広い。
でもこの家は、お父さんの友人に貸してもらってる家で、1年以内に出ていかなければいけないという、変な条件付きだ。
そのかわり家賃とかないんだけども。