君と過ごした100日間は。



え・・・。

真面目な話なんじゃないの・・・?


「蓮斗」


お母さんに呼ばれて、お母さんの方を再び向くと、さっきまで真面目な顔で話しかけてきたはずなのに、なぜか優しく微笑んでた。

その微笑みが、少し雪菜に似ていて、不覚にも少し驚いた。

小さい頃は、お母さんに似てるところなんか、髪の毛の質ぐらいしかなかったのに。

雪菜も雪菜で成長したんだな。

僕がお母さんの顔をずっと見てたもんだから、返事をしていなくて、また名前を呼ばれた。


「何?」


僕がそう答えると、さっきの優しい微笑みは消えて、何かを考えているような怪しい笑顔を見せた。

表情、くるくる変わりすぎだろ・・・。

今だに何を考えてるのかわからない。


「雪菜、可愛くなったでしょう?」


・・・・・。

なんだ、そんなことか。


「まぁ・・・。 可愛くはなったと思う、かな?」

「なんだ、蓮斗。 雪菜に惚れたか?」


お父さんがニヤニヤしながら聞いてくる。

からかってるとはわかっているけど、なんかお父さんに言われるとちょっと腹が立つ。


「そっ、そんなわけない! 雪菜は双子の妹だよ! 恋愛対象外だっての!」

「まぁまぁ。 お父さんも本気で言ったんじゃないんだから、ムキにならないの」

「そうだぞー! 逆に“惚れた”なんて言われたら、父さんは悲しいぞー!」

「うるさいっ」

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