君と過ごした100日間は。

中庭 雪菜side



私、芦川雪菜は、朝から笑いすぎて、授業に集中できませんでした。

先生が黒板に書いてるのを写しているたび、朝のことを思い出してしまって、一人でクスクス笑ってる。

いわゆる思い出し笑いってやつ。

そのおかげで、ノートの字が汚いやら、授業の内容が頭に入ってないやら、今日は本当にグダグダ。

朝の、芦川くんが毎日遅刻ギリギリに来る理由が、どうやらツボにはまってしまったらしい。

美優の言葉も面白かったけど、その言葉に反応する芦川くんも面白かった。

おどおどしていたところが、なんか可愛いなって思った。

ホームルーム始まる前に、美優がズタズタに芦川くんをいじめて、ホームルームで先生が話をしているときに、少しすねてた芦川くんの顔も可愛いし、面白いし・・・。


「・・・っぷ」

「雪菜ぁ? 私の話、聞いてんの?」


あ、しまった。

思い出してしまったら、つい笑ってしまった。

しかも今、美優と話してたんだったー・・・。


「何一人で笑ってんの? そんなに私の話面白かったかな?」

「え、いや・・・」

「何。 朝のこと思い出したの?」


いきなり思ってることを当てられ、私はさっきまでニヤニヤしていた顔が、元の真顔に戻った。


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