君と過ごした100日間は。



そう、ここは図書室の窓のうち、一番隅っこにある窓。

前に中庭に来た時に見つけた。


「ねぇ、知ってる?」

「ん?」

「ここから、図書室の中見えるんだよっ」

「あー・・・、ほんとだ」


私は、一定の場所を見つめて、話し続ける芦川くんの話を聞いてた。

ふと美優の言葉を思い出す。



“雪菜は、好きな人とかいないの?”



胸が苦しくなった。

正直言って、いない、と言えば嘘になる。

だからはっきりと言えなかった。

好きな人なんかいないよ、って。


美優、ごめんなさい。

嘘ついて。

私、本当は、最近好きな人できた。


でも、美優に言えないよ・・・。

だって、私の好きな人は・・・・・・。






今、私の目に映ってる人なんだから。

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