君と過ごした100日間は。
転入生 雪菜side
最近寒くなってきたこの街の道で、私、芦川雪菜は全力疾走で走っていた。
「やばいやばいやばいやばい・・・っ」
昨日、親友の美優と転入生の電話を夜中までしていて、朝寝坊してしまった。
今日から10月。
後期が始まるのに、1日目から遅刻なんて嫌だ!
なんて思いながら、走っていた。
私は、中学2年生。
髪は背中ぐらい長い黒髪ストレート。
おまけに、前髪はパッツン。
まるで日本人形みたいな感じ。
そんな長い髪を揺らしながら、私は息をするのも忘れるぐらい急いでいた。
学校が見えてきて少しホッとしたあと、校門の前にいる見かけない男の子が視界に入る。
遠くから見たら背も小さいし、制服だって新しいから、1年生だと思った。
でもだんだん近づいていくと、遠くで見たよりも背が高くて同じぐらいの歳かなと思う。
「・・・あのぅ」
話しかけると、彼は声に反応して私の方を向いた。
ふわふわしてそうな少し茶色い髪に、どこか懐かしいような瞳。
私は彼に見とれていた。
そして彼も私をずっと見ていた。