君と過ごした100日間は。
離れる君
ホームルームが終わり、僕は帰る準備をして雪菜に近づく。
「芦川さんっ、行こ!」
僕は、当たり前のように雪菜に話しかけた。
行くってのは、もちろん玄関に。
僕は今日も一緒に帰る気だった。
でも、雪菜は困ったような顔をした。
「えと・・・?」
どうしたの?と、聞こうとしたら・・・。
「ごめんっ! 今日はちょっと図書室寄るから、一緒に帰れないのっ」
「えっ」
図書室?
「なんか宿題とかあったっけ?」
「う、ううん・・・。 そうゆうのじゃなくて・・・」
「調べもの?」
「うん、そんなとこ、かな・・・」
「そっか・・・」
雪菜とばいばいして、僕は一人で帰り道を歩いていた。
いつもと同じ道。
周りには、いつも見る帰宅部の人や、3年生。
いつもと同じ景色。
いつもと同じ道路。
ひとつだけ違うのが、視界に雪菜がいない。