君と過ごした100日間は。



昨日の美優との会話をふと思い出した。

まさか・・・。


「もしかして、今日転入してきた子?」

「えっ、うん、そうだけど・・・」


彼は申し訳なさそうに、言ってきた。

やっぱり、そうだった。

でもなんでこんなとこで立ってるのかな?

玄関なら目の前なのに・・・。


「中に入らないの?」

「えっと・・・、入っても職員室の場所わかんないし・・・」


あぁ、なるほど・・・。

確かに、今の時間だったら、登校してくる人なんていないしね。



「職員室、教えてあげるよ」

「でも・・・もうホームルーム始まるんじゃ・・・」

「大丈夫。 職員室まで行ったら、先生許してくれるよ」


私は笑顔でそう答えた。

すると、ちょっと焦っていた彼の顔が、ほんわか笑顔になる。

そして、ありがとうと言った。

その笑顔に、私の心は、少し引っかかった。
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