君と過ごした100日間は。



転入生の彼を、職員室に送っていったあと、先生と一緒に教室に入った。

そして、みんなの視線を感じながら、おずおずと自分の席に向かう。


「超堂々とした遅刻だね。 しかも先生と一緒なんて」


席に座ると、前の席に座っている、昨日ずっと電話をしていた、高橋美優に話しかけられた。

美優はニヤニヤしていた。

この子、なんか変な勘違いしてるんじゃないか・・・。


「ばかっ。 先生と一緒だったのは、職員室に転入生を送ったからっ」

「うっそ、転入生に会ったんだ!? どうだった、どうだった?」

「普通の男の子だったよ、なんか少し茶髪だった」

「まじで~!? 好みだったらどうしよぉ~」


なんて美優がきゃっきゃと騒いでいると、先生が睨んでくる。

はぅぅ~、怖いなぁ、もう・・・。

先生、女の人なんですから、もうちょっと優しい顔を・・・。

しかも私、小声で話しただけなのに・・・。


「えー・・・、今日は、みんな知っているかもしれませんが、転入生が来るということで、紹介します」


先生がそう言ったあと、朝会った彼が教室に入ってくる。

その瞬間、クラスの女子が騒ぎ出した。

でも先生は無視して、彼の名前らしき文字を黒板に書いていった。

先生が体を動かして、名前の文字が見えたとき、その名前に私は少し驚いた。

そして彼は、自分のことを紹介していく。

< 7 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop