キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「男にとって結婚は一種のステータスだからな。最初に言った通り、結婚が出世の手段の一つにしか過ぎないのは蘭も同じなんだよ。
あいつは昔から要領がいいから、お前のこともうまく手なずけておきたいんだろう」

「手なずけて、おく……?」

「お前みたいな、ウブで男のことなーんにも知らないような純情な女ほど都合がいいからな」



都合がいい、って……

私は蘭さんに、いいように利用されてるってこと?

『大切にしなきゃな』って言ってくれた、あの言葉の真意はそういうことだったの?


呆然とする私を、蓮さんはあの意地悪な笑みすら見せず、真顔で見据える。

それが余計に真実味を帯びているように思えて──



「蘭が本当に愛してくれるとでも思ったか?」



嘘や冗談ではなさそうなその言葉が胸に突き刺さり、身体が冷えていく感覚を覚えた。



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