キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
5。*゚満たしてあげるよ
目が覚めるとすでに蘭さんの姿はなく、痛む頭に手をあてつつベッドから起き上がった。
時計を見るともう9時を回っている。
私、蘭さんが出ていくのにも気付かないでずっと寝てたんだ。
体調と同じで優れない気分のままダイニングに向かうと、執事さんが少し微笑んで会釈した。
「朝食はお食べになられますか?」
「あ……すみません、せっかくなんですけど食欲がなくて」
「ではヨーグルトでもご用意致しましょうか」
二日酔いの私にまで気を遣ってくれる執事さんは本当にいい人……。
彼の優しさに少し癒されながら、たくさんのフルーツが入ったヨーグルトを口に運んだ。
そうして落ち着くと、頭に蘇るのは昨日の蘭さんの苦しげな表情。
「あの……蘭さん、何か変わった様子はありませんでしたか?」
スプーンを置いて問い掛けると、執事さんは穏やかに答える。