キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
蘭さんの仕事が終わるまで、私は一人ソファーに座って反省していた。
周りの人達が言うことに惑わされて、蘭さん本人の気持ちを聞こうともせずに勝手に悩んで、落ち込んで。
ただ独りよがりなだけだったんだ。
蘭さんが帰ってきたらちゃんと話をしよう。
『お二人の糸は少し絡まっただけですから、必ず解けます』
という、執事さんの言葉を信じて。
──ガチャリ、とドアが開くと神妙な顔つきの蘭さんが現れた。
私は飛び上がるように立ち上がり、蘭さんのもとに駆け寄る。
「蘭さん!……お帰りなさい」
「……ただいま」
挨拶をしたものの、お互いに何から切り出そうか考えるように沈黙が流れる。
ひとまず、私はこれを言わなければいけない。