キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「昨日はごめんなさ──」
「昨日はごめん──」



謝ろうと口を開いたら同時に同じ言葉が出て、私達は顔を見合わせてぷっと吹き出した。


……不思議。

あんなに悩んで、不安で仕方なかったのに、今はそんなことよりも彼を愛しく想う気持ちで一杯だ。



「ごめんなさい、蘭さん。私、勝手に色々勘繰って酷いことを言って……」

「どうして謝るの」



ふっと口元を緩めて俯く私に近付いた蘭さんは、私の頭を優しく引き寄せて抱きしめる。



「君がここで待っててくれただけで十分だ。
……愛想尽かされて蓮の方へ行くんじゃないかって思ったから」

「行きませんよ」



この腕の中からは離れません。

温かい胸に顔を埋めて呟くと、抱きしめられる力がさらに強くなった。



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