キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「でも、どうして今まで断ってたのに急に結婚する気になったんですか?」



隣に座る蘭さんの顔を覗き込むようにして疑問に思ったことを尋ねると、彼は私をまっすぐ見つめ返してこう言った。



「……それは、現れたのが君だったからだよ」



──私、だったから?

よく意味が理解出来なくて首をかしげると、蘭さんは少し照れたようにはにかんで頭を掻く。



「僕も信じられなかったよ、君に一目惚れするなんて」

「ひ、一目惚れ……!?」



うそ……!蘭さんが私に!?


到底信じられなくて唖然としていると、蘭さんは私の髪に手を差し入れてさらりと撫でる。



「昔から僕や蓮の周りには、金に目が眩んだような人間が多かった。お見合い相手の中にもそういう子はいたよ。
でも君はそんな欲が一切なかった。だから綺麗だなって思ったんだ」


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