キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「僕も入ってくるよ。先に寝てて。ベッド使ってくれていいから」

「あ……でも、蘭さんは……」

「僕はちゃんとソファーで寝るよ」



クスッと笑いをこぼしながら、

「一緒に寝たい気持ちはヤマヤマだけどね」

と、また冗談なのか本心かわからない一言を残して彼は部屋を出ていった。


シンプルな家具が置かれたスタイリッシュな部屋に一人残された私は、ぼうっとしたままベッドにボスンと腰を下ろす。



「初日からこれじゃ、一週間ももたないよ……」



情けなく呟き、コテンとベッドの上に身体を倒してみると、蘭さんの香りに包まれる。


あぁ、なんかこれ、好きかも……

心臓はまだ早いリズムを刻んでいるけれど、この香りは不思議と安心する。



私は、彼自身のことも好きになれるのかな──?







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