キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「おい蘭、親父から電話だぞ。お前に代われって」



そんな蓮さんの声が脱衣所の方から聞こえてきた。

蘭さんに話しかけてる?
でもどうして脱衣所から聞こえるの?



「まだ出ないなら後でかけ直すって言っとくけど……蘭?」



様子を伺っているうちに、磨りガラスに蓮さんらしき人影が近付く。

ま、まさか……

お風呂に入ってるのが蘭さんだと思ってる!?


そう気付いて声を出そうとした瞬間、ガチャッと扉が開かれてしまった。



「おい蘭、死んでんの……か?」

「きゃあぁぁ~~っ!!!」



言葉とは裏腹な呑気な声と共に姿を現した蓮さんは、一瞬何が起こったかわからない様子で固まる。

私は盛大な悲鳴を響かせ、咄嗟に身体を隠して床に座り込んだ。


< 53 / 69 >

この作品をシェア

pagetop