キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
バツが悪そうにする蓮さんと、私を抱きしめるようにしてうなだれる蘭さん。

な、なんか私が悪いことしたような気分……。



「……で、親父が電話代われって言ってるけどどうすんの?」

「そんなの後にするに決まってる」

「だよな」



深く頷く蓮さんは、私達二人をそのままに静かに脱衣所を出ていった。

私はふかふかのバスタオルに包まったまま、深く息を吐き出す蘭さんを見上げる。



「あの……タオル、ありがとうございます」



とりあえずお礼を言うと、蘭さんは静かな怒りを湛えた綺麗な瞳で私を見据える。

思わずビクッと肩をすくめ、口元を引きつらせる私。



「見られたの?」

「えっ…と、たぶん背中だけだと……」

「背中は見られたんだ、へぇ……」



ひぇ~~怖い!

髪を拭いてくれているけど、その優しい手つきとは正反対。

でも今のは不可抗力です!!


< 55 / 69 >

この作品をシェア

pagetop