キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「嘘だよ、カマかけただけだ。安っぽいアパートの薄い壁じゃねぇんだから、声が聞こえるわけねーだろ」

「なっ……!」



何なのよ、この男ーーっ!!

あぁでも私ってやっぱり単純なのかな、こんな罠に引っ掛かるなんて……。


蓮さんは不敵な笑みを浮かべ、新聞を広げながら言う。



「よかったな、蘭が俺に嫉妬したおかげだぞ。これでお前の貧相な身体を見ちまったことはチャラな」

「えぇ!?ていうか、貧相って!」



何ともヒドイ言い様……!

でも“チャラ”ってもしかして、一応お風呂を覗いちゃったことを悪いと思ってるのかな?



「素直じゃないんだから……」

「あ?何か言ったか?」

「いーえ、なんでも!」



蓮さんのこともちょっとだけわかってきた気がして嬉しくなった。

これから家族になる人だもん、彼とももっと解り合っていきたいな。



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