Ｅａｔ * Ｍｅ
いただきます。
「ねぇそういえば、今朝のニュース見た？」

「えっなに、なんかあったっけ？」



休み時間の教室は、騒がしい。

由緒ある中高一貫の女子校とは名ばかりで、実際に通っている生徒たちはみんな同年代の人たちとさして変わらない、普通のイマドキな女の子ばかりだと思う。

わたしはわいわいとおしゃべりする同じグループの子たちの輪に形だけ加わり、机に頬杖をついてぼんやりと窓の外を眺めていた。



「知らないかなー。なんかどっか外国で、若い男の人が同じ年頃の女の子を殺して、そんで死体の一部を食べちゃってたってやつ」

「うわ、グロー」

「なんだっけそういうの、ハンニバル？」

「それは映画のタイトルでしょー？」

「でもそういう頭おかしい性癖の人って、マジでいるらしいからね。あたしたちも花の女子高生だし、一応気をつけないとさー」



ハンニバル……朝からヘビーな内容の話だなあ。

会話に加わらないながらも耳を傾けていたわたしに向かって、「ねぇ仁那、」ととなりの友達が唐突に言葉を投げかけてきた。
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